ー甲斐健の旅日記ー 日本人の心のふるさと飛鳥を訪ねて 日本人の心のふるさと飛鳥を訪ねて

日本人の心のふるさと飛鳥を訪ねて

 6世紀から7世紀にかけて、古代日本の政治の中心地として栄えた飛鳥(奈良県明日香村)の地を訪ねました。私にとって「アスカ」は、日本人の心のふるさとのようにも感じられ、「古代のロマン」をかき立ててくれます。この「飛鳥時代」に、大臣(おおまえつきみ)として君臨し、強い権力を握っていたのが蘇我本宗家であり、その蘇我一族の一人として活躍したのが聖徳太子でした。しかし西暦645年、蘇我入鹿が中大兄皇子(のちの天智天皇)に暗殺され、蘇我本宗家は滅びてしまいます。古代日本の激動を生きぬいた人々をしのびながら、飛鳥の里を散策しました。

コラム1 蘇我氏/飛鳥の地に繁栄を築いた蘇我本宗家の人々は、本当に「悪い奴ら」だったのか?
コラム2 聖徳太子は本当に実在したのか?!
甘樫丘 甘樫丘(あまかしのおか)
 奈良県明日香村豊浦にある丘陵です。乙巳の変(いっしのへん:645年)の直前、蘇我蝦夷とその子・入鹿が邸宅を構え武装化し、敵対勢力に対する防衛のために要塞化したとされる、古代の歴史にゆかりの理です。
石舞台古墳 石舞台古墳
 石舞台古墳は、奈良県明日香村にある、我が国最大級の方墳です。被葬者は、6世紀後半から7世紀にかけて大臣(おおまえつきみ)として権勢をふるっていた蘇我馬子だといわれます。現在、墳丘を覆っていた土は失われ、巨大な石積みが露出していて、玄室(げんしつ:使者を埋葬した墓室)にも自由に入ることができます。
飛鳥寺 飛鳥寺
 奈良県明日香村にある寺院。蘇我氏の氏寺で、日本最古の本格的寺院です(前身は法興寺)。本尊は「飛鳥大仏」と通称される釈迦如来、開基は蘇我馬子です。
元興寺 元興寺(がんごうじ)
 奈良市にある寺院で、蘇我馬子が飛鳥の地に建立した日本最古の仏教寺院法興寺(ほうこうじ)がその前身です。法興寺は、和銅3年(710)の平城遷都の後に、平城京へ移転し元興寺と名を変えました。
岡寺 岡寺
 奈良県明日香村にある真言宗豊山派(ぶざんは)の寺院です。明日香村の東にある岡山の中腹に位置していることから、岡寺と呼ばれます。岡寺の創建は天智天皇(在位668~671年)の時代にさかのぼります。天智天皇の勅願を受けて、義淵(ぎえん)僧正によって創建されました。
長谷寺 長谷寺
 奈良県桜井市初瀬(はせ)にある真言宗豊山派(ぶざんは)の総本山です。天武天皇の時代の朱鳥元年(686)、道明(どうみょう)上人が初瀬山(はつせやま)の西の丘(現在の本長谷寺辺り)に三重塔を建立し、小さなお堂を建て天武天皇の病気平癒を祈願したことが始まりとされます。
法隆寺 法隆寺
 奈良県斑鳩町にある、聖徳宗の総本山です。別名では斑鳩寺(いかるがでら)と呼ばれています。7世紀前半、推古天皇と聖徳太子が、本尊の薬師如来を造り、寺院を創建したことが、法隆寺の始まりとされます
四天王寺 四天王寺
 大阪市天王寺区にある寺院です。6世紀後半、蘇我馬子と物部守屋が戦った時、蘇我方で参戦した聖徳太子が、戦場で四天王像を彫って捧げたところ、物部勢が総崩れとなり蘇我方が勝利しました。これを受けて、聖徳太子が創建した寺院といわれます。